キャラバンに混ざり 大勢で移動していたけれど
とてもじゃないけどついていけなかった
疲れていたし 酷く良い予感がしたからだった
さんざん独りで歩いてみると もっと疲れた
多分2年ぐらい老けただろう 私 鏡見たくない
湖の畔で休んでいると 知った顔
ナーヒドが独りでブツブツ何か言っていた
おもしろいから見ていようかと思ったけれど 声をかけてしまう
ホワイトデーのお返しにもらったスカーフ 実は着けていたけれど見せられなかった
砂で汚れたら勿体無い ずっと砂避けローブの下に潜んでいた
けちくさい庶民派だなぁ私と思う
なんだかんだで話こむと ふと気づかされる
軽やかなステップを踏みたくなる ついナーヒドを誘い 砂漠の真ん中でダンス
長い影が重なるのがすっと心に溶けるように 目に焼きついた
こんな何もなさすぎて たくさんのものが溢れる場所
私は社交界デビューを果たした気分だった
街へ戻ったら ベッドの中で彼をリードするのも面白いかもしれない
さぁ 春はすぐそこ 軽快に足音を鳴らして